k2685
鐔 無銘 潘閬図

Tsuba
no sign "Hanro"


価格 3万8千円
Price 38,000JPY

(length)65.9mm (width)60.3mm 切羽台厚さ(thickness)3.4mm
重量(weight)80g
鉄地四ツ木瓜形高彫色絵 made of iron, Mokko shape, iroe

 中国周代穆王(ぼくおう)に仕えた隠士、潘ロウ(ロウは門構えの中に良)を題に採った鐔。穆王は一日に千里を走るという八頭の駿馬を所持し、ある時その中の一頭を殊更に褒めたところ、これを悪意をもって王に伝えられたため、穆王の怒りにふれ崋山を追放されることとなってしまった。讒言による身に覚えのない咎であるが、潘ロウは甘んじてその責を受け、山中に隠遁することを決意した。後にそれは讒言による濡れ衣であることが判明し、王は今まで通り臣下として仕えることを要請するのであるが、潘ロウはたとえ身に覚えのない罪であっても一度嫌疑を受けた以上は再び臣下として仕えることは出来ないとその申し出を断り、最初の決意通りに隠棲の身となる。そしていよいよ住み慣れた崋山を離れるとき、このなじみ深い崋山の地が無性に恋しく感じられるようになった潘ロウは、少しでも故郷の風景を目に焼き付けようと、乗っていた驢馬に逆向きに跨った。そして遠ざかる崋山の風景をいつまでも驢馬の背から眺めていたのである。
この鐔は、その遠ざかる風景を逆さに乗った驢馬から眺めている潘ロウの姿を描いたもので、金、銀、赤銅、素銅といった様々な色金を用い、惜別の場面が色鮮やかに描かれている。裏は、わずかに松の枝のみが描かれた余韻のある風景となっており、潘ロウが去ったあとの心象風景を表しているようである。


拡大画像