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腰刻黒石目地塗千鳥陰蒔絵鞘小さ刀拵
脇差
銘 英壽作
明治三五月日

Koshi-kizami kuro ishime-ji nuri Chidori kagemakie saya,
Chisa-gatana koshirae

come in Wakizashi
signature Hidetoshi saku
Meiji 3,5 gatsujitsu


腰刻黒石目地塗千鳥陰蒔絵鞘小さ刀拵
拵全長 一尺六寸一分七厘(49cm)
柄長 四寸一分二厘半(12.5cm)

縁頭

蜘蛛巣図 無銘 朧銀磨地縮緬石目地象嵌

小柄 群千鳥図 銘 重行[花押] 素銅魚子地高彫色絵
目貫

竹図 赤銅地容彫

葵唐草図 無銘 赤銅魚子地象嵌金色絵




脇差 銘 英壽作 明治三五月日
明治 146年前

刃長
一尺四分六厘
(31.7cm)
反り
一分六厘半(0.5cm)
元幅
八分九厘 (2.7cm)
棟重ね
二分三厘(0.7cm)

素銅地一重ハバキ
平成27年熊本県登録(55623号 7月17日)
保存刀剣鑑定書 certificate NBTHK (Hozon)


価格 33万円
Price 330,000JPY



 洒落た小さ刀拵。黒石目地鞘に細かな貝や朱片が散らされ、陰蒔絵で千鳥が表に二羽、裏に一羽浮かび、腰刻が効いて引き締まり、素銅魚子地の小柄も旭日に向かって群れ飛ぶ千鳥図で、安親の作を想起させる風情ある仕上がり。鐔は赤銅魚子地に葵唐草図が金色鮮やかに映え、目貫は虎の留守模様であろう笹図。縁頭は中央の稲妻形の銀線象嵌を境に指表側が磨地仕立てとされ、指裏側は縮緬石目地風の無文で昼夜の様相となり、雲の巣が銀線象嵌で緻密に描写され、頭には細糸を手繰ってスズメバチをも仕留める智勇の虫、蜘蛛が鎮座しており、印象深さは格別である。
 付帯する脇差は元治二年紀もあり(『日本刀銘鑑』)、幕末・明治に槌を振るった英壽(ひでとし)(注)の、幅広で寸法延びの作で、刃文は尖りごころの互の目が連続し、僅かに高低がついて兼元の三本杉風。茎の仕立ては極めて丁寧で、平地のみならず棟をもまた 津田助廣張りの香包鑢が掛けられて未だ底白く輝き、おおらかな鑚遣いで銘字が刻されている。
新政府誕生直後の明治三年、世直し一揆が頻発し、山口では奇兵隊の脱退騒動が発生するなど、早くも新体制への不満がくすぶり、この火種は萩の乱、熊本神風連の乱、そして西南の役へと続いた。明治初年頃の世を生きた粋な武人の気構えを示す貴重な資料。古研ながらも地刃の働きは十分楽しめる。

注 : 維新後の廃刀令で、刀工として売り出そうという時に槌を擱かざるを得なかったものであろう。資料少なく国も不明。茎仕立てが極めて丁寧なあたり、月山貞一一門であろうか。今後の研究に期待したい。





脇差 銘 山城大掾源國重


         




 

 

脇差 銘 山城大掾源國重 差表 区上

脇差 銘 山城大掾源國重 差表 中央
脇差 銘 山城大掾源國重 差表 鋒
脇差 銘 山城大掾源國重 差裏 区上
脇差 銘 山城大掾源國重 差裏 中央
脇差 銘 山城大掾源國重 差裏 鋒