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鎧通し短刀
銘 妙一峯雪入道兼先

Yoroi-doshi Tanto

signature Myoitsu Hosetsu nyudo Kanesaki


ご成約を賜りました Sold out



因幡国 天保頃 約180年前

Inaba prolvince, Tenpo era, about 180 years ago

刃長 (hacho)

六寸七分六厘半
(20.5cm)

反り (sori)
内反り
(Uchizori)
元幅 (motohaba)

七分五厘(2.28cm)

 

重ね(Kasane)

三分四厘強(1.05cm)
 


素銅地一重ハバキ
白鞘入
昭和32年静岡県登録(6月28日 16499号)
保存刀剣鑑定書 (因州・時代 天保頃)
certificate
NBTHK (Hozon, Inaba province, Tenpo era)

 


 鎧通しは合戦で組打ちの際に使用すべく、前線に立つ戦国武将が腰に指したもの。鎧で身を固め、激しく動き回る敵の急所を確実に刺し貫くには鎧の間隙を縫って的確に操作すること、さらに加えて強度が求められた。必然的に鎧通しは短寸、内反り、重ね厚の独特な姿となったのである。戦国気質を全身に留めたこの必殺の武器は後世の武士の戒めかつ憧れであり、中にはわざわざこれを刀工に打たせ、危急に備えていたのである。
 表題の鎧通し短刀は江戸時代後期の因州兼先(いんしゅうかねさき)の作。身幅尋常ながら重ねは極厚で、内反りつき、茎は掌にすっぽり収まる長さに仕立てられており、刺突の利便性が最大限に追及された恐るべき姿。地鉄は小板目肌に流れごころの肌を配して詰み、地沸均一について鉄色明るい。刃文は浅い湾れに互の目、丁子が間遠く配され、変化に自然味があり、小沸ついて刃縁明るく、刃中は匂いで澄む。帽子は浅く乱れ込んでやや尖り、僅かに掃き掛けて長めに返り、遠祖美濃伝の地蔵帽子となる。茎はこの工独特の銑鋤風の檜垣鑢が掛けられ、銘字が入念に刻されている。時恰も天保年間、異国船が出没し、幕府や諸藩では士風の刷新と財政・軍政改革が行われていた頃。作者は日置(へき)矢三郎兼先。因州鳥取藩池田家に仕えた九代目で、大坂でも打ち、入道して峯雪(ほうせつ)と号し、作品には「妙一(みょういつ)」と添銘した優工。嘉永二年七月十二日没。享年六十歳という。

鎧通し短刀 銘 妙一峯雪入道兼先
鎧通し短刀 銘 妙一峯雪入道兼先

鎧通し短刀 銘 妙一峯雪入道兼先 差表 鋒
鎧通し短刀 銘 妙一峯雪入道兼先 差裏 鋒

鎧通し短刀 銘 妙一峯雪入道兼先 茎