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菖蒲造脇差
銘 豊後國大野庄住行政

Shobu-zukuri Wakizashi
signature Bungo no kuni Ohno no sho ju
Yukimasa



豊後国 応永頃 約620年前

Bungo prolvince,Oei era, about 620 years ago

刃長 (hacho)

一尺二寸八分
(38.8cm)

反り (sori)
二分六厘強
(0.8cm)
元幅 (motohaba)
七分七厘(2.34cm)
 
棟重ね
(Mune-gasane)
一分一厘
(0.34cm)
鎬重ね
(Shinogi-gasane)
二分一厘半(0.65cm)


素銅金鍍金二重ハバキ
白鞘入
昭和46年静岡県登録(5月26日 15998号)
保存刀剣鑑定書(時代 室町)
certificate
NBTHK (Hozon, Muromachi period)

価格 30万円
Price 300,000JPY


 豊後国には平安時代末期から鎌倉時代初期にかけて定秀・行平が出たが、その後しばらく名工が途絶え、南北朝期に入って友行が出現し高田鍛冶の祖となった。この時代の著名な刀工としては友行のほか、時之、行政(注1)などある。
表題の脇差は銘鑑でその二代目とされる室町時代最初期応永頃に活躍した行政のもの。体配はやや小ぶりの菖蒲造。菖蒲造脇差は、目利き数え歌に「脇差の菖蒲造りは西蓮や仁王・藤島・三原・了戒」とあるとおり、この時代に多く見られたもの(注2)。また一般に脇差は本造よりも菖蒲造の方が切れ味が良いともいう(注3)。
 地肌は板目鍛えの肌に大肌交り、総体に流れて肌立ち、地景入り、地沸つき、地斑交る。
 浅く湾れた刃文は、小互の目小丁子を交え匂口柔らかく、刃中よく沸付き、金筋・砂流し、沸裂け等交え、地刃ともに古典色が強い。生ぶの茎には細鏨で古雅な銘が切ってあり、銘振りは前出の特別重要刀剣の短刀と酷似している。
 大野庄という地名の銘字も貴重で、豊後高田鍛冶の源流を窺うことが出来る、稀有な好資料である。

注1 第十二回特別重要刀剣の建徳二年紀の行政の短刀がある。(弊社旧蔵)
注2 注3 福永酔剣先生『日本刀大百科事典』より

 

脇差 銘 豊後國大野庄住行政 差表
脇差 銘 豊後國大野庄住行政 差裏

脇差 銘 豊後國大野庄住行政 差表 鋒
脇差 銘 豊後國大野庄住行政 差裏 鋒
脇差 銘 豊後國大野庄住行政 差表 鋒
脇差 銘 豊後國大野庄住行政 差裏 区上

脇差 銘 豊後國大野庄住行政 差裏 中央

脇差 銘 豊後國大野庄住行政 差裏 鋒