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黒漆塗鞘肥後脇差拵
刀身 脇差
銘 延壽宣勝作
天保十四年二月吉日

Kuro urushi-nuri saya, Higo wakizashi koshirae
with Wakizashi
signature Enju Nobukatsu / Tenpo 14 nen 2 gatsu kichijitsu


黒漆塗鞘肥後脇差拵 Kuro urushi -nuri saya, Higo wakizashi koshirae
拵全長(whole length) 二尺二寸二分四厘(67.4cm)
柄長 (hilt length) 四寸三分二厘(13.1m)
 
白鮫皮着金茶色糸巻柄 covered with white shark skin tied Kin-cha strings
鞘長(scabbard length)一尺七寸七分八厘(53.9cm)

目貫 (Menuki)

熨斗図 赤銅地容彫毛彫色絵
"Noshi"
made of Shakudo, iroe

小柄(Kozuka) 花束図 無銘 赤銅魚子地高彫色絵
"Hana-taba", made of Shakudo, iroe
割笄(wari-kogai) 雨龍に紗綾形文図 無銘 赤銅地平象嵌
"Amaryu, Sayakata-mon", made of Shakudo, inlay
縁頭(Fuchigashira) 縁;無銘 刻文様 赤銅地
 Kashira; no sign "Kizami"pattern, made of Shakudo
頭;角製
Kashira; made of horn
(Tsuba) 三階松透図 無銘(神吉),鉄地障泥形毛彫地透
"Sangai-matsu"sukashi, no sign (Kamiyoshi), made of iron, Aori shape, openwork

 


脇差 銘 延壽宣勝
Wakizashi
signature Enju Nobukatsu / Tenpo 14 nen 2 gatsu kichijitsu

肥後国 天保 174年前 46歳作
Higo province, Tenpo era (174 years ago)

刃長 (hocho)
一尺五寸九分七厘
(48.4cm)
反り (sori)
四分二厘強
(1.3cm)
元幅 (moto-haba)
九分八厘 (2.98cm)
先幅 (saki-haba)
六分三厘 (1.92cm)
棟重ね
(Mune-gasane)
一分九厘(0.59cm)
鎬重ね
(Shinogi-gasane)
二分二厘(0.68cm)

金着二重ハバキ (肥後ハバキ)

平成四年熊本県登録(47146号 3月17日)

価格 38万円
Price 380,000JPY


 上質の肥後脇差拵。天保十四年二月吉日紀の延寿宣勝作の脇差が収められた、内外はまさに完全一体の生ぶの出物。江戸後期の肥後の上級武士の装いを伝える絶好の資料。黒漆塗鞘は深い黒艶でしっとりとし、柄は上品な金茶色糸巻。白鮫皮の親粒は大きく、これに熨斗図目貫が付され、固く巻き締められている。虫食いの穴があり、掛け巻の頭は糸がなくなっているが、それでも金茶色糸が幸いしたものであろうか、柄糸は切れずに伝来。縁と鐺は上質の赤銅磨地に刻みで、これも烏の羽のような、黒紫色の美しい光沢を放っている。鍔は堅牢な鉄地で、下半が膨らんだ障泥形で、拵にどっしりとした安定感を加えており、鉄味は優れている。作者は神吉であろう、切羽台には見覚えの鑚が鮮明。紗綾形に雨龍図の割笄も生ぶ。ハバキも下蓋(したがい)が縦篠刻鑢、上蓋(うわがい)が切鑢の金着二重の肥後ハバキが装着され、当初から最近まで肥後国に合ったものが分かる。
 延寿宣勝(のぶかつ)は肥後熊本藩工で、名を武永喜三右衛門尉といい、江戸で細川正義にも学んだ優工。この脇差は両区深くきっちりとし、詰み澄んだ地鉄に匂口締まった直刃の映える端正な出来口。茎の保存状態は良好で目釘穴もほぼ真円形。研ぎ上げたばかりで刀身は瑞々しく潤っている。



鵜ノ首造脇差 無銘(若州冬廣)
鵜ノ首造脇差 無銘(若州冬廣)