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銘 丹波守藤原照門
於桑名以地金下作之


Katana
signatere Tanba no kami Fujiwara Terukado
Kuwana ni oite Jigane sage wo motte kore wo tsukuru



美濃国 万治〜寛文初年 約三百五十五年前
Mino province, Manji - Kanbun era, about 355 years ago (early Edo period)
刃長 (hacho)

二尺一寸七分五厘
(65.9cm)

反り (sori)
六分九厘
(2.1cm)
元幅 (motohaba)
一寸五厘(2.1cm)
先幅 (sakihaba)
七分二厘半(2.2cm)
棟重ね
(Mune-gasane)
二分弱(0.60cm)
鎬重ね
(Shinogi-gasane)
二分三厘(0.70cm)

銀着二重ハバキ
fitted with silver foil double Habaki

白鞘入
come in a magnolia scabbard
平成29年兵庫県登録(10月19日 123823号)


保存刀剣鑑定書

certificate NBTHK (Hozon)

価格 33万円
Price 330,000JPY


 照門(てるかど)は美濃国関の刀工で、名を宗九郎という。初め兼門(注@)と銘し、関鍛冶棟梁格の善定家を担って丹波守を受領し照門と改名(注A)。操作性と刃味の良い美濃刀を一層発展させ、新境地を拓いている。
 この刀は江戸前期、尚武の気風強い尾張地方の武士の需に応えて精鍛された作であろうか、鎬地を狭く平地が広くとられ、重ね厚く、腰元から反りを高く先反りも加わって中鋒延びごころに造り込まれ、寸法控えめに茎短く仕立てられ、素早い抜打ちに適した打刀姿。地鉄は小板目肌詰み、細かな地景が入り、均一についた地沸は粒起って地肌の照り強く、細かに肌目が起って活力に満ち、刃の際に沿って白く細く蜘蛛の糸のような映りが立ち、地肌の変化が豊か。刃文は直刃に小互の目を交え、小沸ついて匂口締まりごころに明るく、物打付近へ行って焼幅やや広く、沸やや深く付いて湯走りかかり、小足が無数に入り、小形の金線・砂流し微かにかかり、よく沸づいて刃中の照度も高い。帽子は焼深く、浅く緩んで小丸に返る。剣先の急な茎は保存優れ、同工特有の筋違鑢が一本一本強く掛けられ、銘字は鑚強く太く刻されて鮮明で、「桑名において地金下(じがねさげ)を以てこれを作る」 との裏銘(注B)が鍛鉄の工夫を窺わせて興味深い。力強い姿ときっぱりとした直刃は備前清光を想わせ、千軍万馬の時代を脳裏に蘇らせる雄刀となっている。


注@「願主武蔵宗三良嘉門」との添銘のある善定藤原兼門銘の脇差がある(関春日神社蔵。『美濃刀大鑑』所載)
注A 万治三年九月吉日紀の春日大明神との神号文字彫入りの片切刃造脇差がある(『美濃刀大鑑』)
注B 卸鉄技術を用いたことを意味するもので、大坂助廣一門の近江守助直の延宝五年紀の脇差(『越前守助廣大鑑』)の「以地鉄落作之」と全く同じ意味であり、越前康継や多々良長幸が「以南蠻鐵鍛之」「以宍粟鐵作之」と特別の鉄素材について記しているのと意図は同じである。

刀 銘 丹波守藤原照門 於桑名以地金下作之
刀 銘 刀 銘 丹波守藤原照門 於桑名以地金下作之




刀 銘 丹波守藤原照門 於桑名以地金下作之 差表区上

 

刀 銘 丹波守藤原照門 於桑名以地金下作之 差表中央
刀 銘 丹波守藤原照門 於桑名以地金下作之 差表鋒
刀 銘 丹波守藤原照門 於桑名以地金下作之 差裏区上 刀 銘 丹波守藤原照門 於桑名以地金下作之 差裏中央
刀 銘 丹波守藤原照門 於桑名以地金下作之 差裏 鋒

刀 銘 刀 銘 丹波守藤原照門 於桑名以地金下作之 ハバキ